忍者ブログ
http://4cdtiger.blog.shinobi.jp/
ミニシアター系からメジャー系まで、思いつくまま気の向くまま。
[90]  [89]  [88]  [87]  [86]  [85]  [84]  [83]  [82]  [81]  [80
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

視聴日 2009年3月10日


別に…
賞をとったからこの作品を見たわけではありませんが、この作品が賞を取らなかったら、私はこの作品を見る事ができなかった事でしょう…。


人として…
この世に生まれたからには(あるいは生き物として…ですかね?)、誰も避けて通る事が出来ない“死”というものを題材にした作品と聞いていましたので、公開当初から“是非見たい”と思っていました。

しかし…
この作品のターゲットが高年齢層であるせいか、近所の映画館ではレイトショー上映が行われず、然りとて早い時間に見に行く機会も無く、結局公開終了となってしまった為、鑑賞を諦めていたのですが…

アカデミー賞受賞のお陰でアンコール上映が決まり、幸運にも鑑賞が叶いました。


物語は…
Uターン就職で、ひょんな事から納棺師となった主人公が、慣れない仕事に戸惑いながらも経験を積み、色々な人々の死を見送ってゆく…と言うものです。

そこに…
特殊な職業に対する偏見の目であるとか…

生き別れの父との確執だとか…
が絡んできますが、

全体的に…
適度なユーモアを含みながら、しっとりとした雰囲気で淡々と物語が進む為、重たいテーマの割には気楽に鑑賞できます。

地味ながら…
丁寧に作られた良作だと感じましたね。


ただ…
幾分、綺麗すぎるようにも感じました。

そりゃ…
こんな作品を見たら
『納棺師になりたい!』
なんてトチ狂う短慮者が出てきても不思議はありません…。

でも、実際にああいった
“死者の穢れ”(念のために言っておきますが、この言葉は悪意から使っているわけではありませんよ…)
を多く身に引き受けるお仕事は、

肉体的にも…

勿論、
精神的にも…

そして、
加えるなら社会的にも…

辛い事だと思います(その一部は、作品内でも語られていましたが、充分とは思えません…)。

2時間程度の鑑賞によってもたらされた感動だけで憧れるには、納棺師という仕事は一寸重たすぎるように思いましたね。


しかし…
この映画を見て、改めて強く感じたのは、お葬式というセレモニーが、死者の為に行われるモノではなく、遺された生者の為に行われる儀式である…と言う至極当たり前の事実でした。

遺された者は…
お葬式において、生前死者にしてあげられなかった事をしてあげたり、最後の対話を行ったりする事で、突然、彼等の前に訪れた
“その人と2度ともう会えない!”
という現実…をゆっくりと受け入れて行くのでしょう。

異論もあるかと思いますが…
私は葬儀の場に死者はいないと思います。

ましてや…
千の風になって、我々の周りを飛び回っている訳でも無いでしょう。

葬儀場の棺の中には、ただ“亡骸”があるだけで、魂なんかは何処にも無いんだと思います…。

もし…
どこかに死者が存在するとするのならば…
その場所は、参列者達の心の中以外には無いように、私は思うのです…。

そういう意味で…
お葬式というモノは、
“おくられるひと”
の為にあるセレモニーではなくて…

まさに…
“おくりびと”
の為にあるセレモニーなんだとつくづく思いましたね…。


この作品は…
こんな風に色々な事を考えさせられる一本です。

『面白い!』
と腹を抱えて笑うような作品ではありませんが、私は結構好きな作品でしたね。


評価(☆5MAX)
ストーリー☆☆☆☆☆
しみじみ度☆☆☆☆☆
久々に見ると広末涼子も随分と老けたな…でも、それだけ老けて、それなりの年齢になっても、所帯ズレとか…生活感というか…そう言うモノが一切、感じられない!これって役者としてプラスなの?マイナスなの?でも…私はそんなヒロスエ…嫌いじゃないぜ…度☆☆☆☆☆
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
COMMENT :
例によって
例によってTVで観た私が来ましたよ。

いやー、広末は確かにカワイイ奥さんしてましたな!
モックンがまさぐるように広末にすがる(迫る)シーンの「イヤヨイヤヨ」なんかは、ホントにグッと来ました。
ああいう「匂い」って、ちゃんと西洋人にも響いとるのかなぁ。

個人的には、山崎努の地味な「快演」がやはり良かったです。
あの納棺事務所に勤めたいとは思わないけど、あの上司の下では働きたいな、と(笑)。
サム 2009/10/15(Thu)12:29:36 編集
COMMENT :
確かに…
山崎努さんは年々良くなってきますね(笑)

理想の上司…と言うよりも理想の人生の先輩という感じデス。
デスタイガー 2009/10/16(Fri)21:19:34 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
プロフィール
HN:
デスタイガー
性別:
男性
最新CM
[01/08 デスタイガー]
[01/08 サム]
[06/04 デスタイガー]
[06/02 サム]
[06/30 デスタイガー]
最新TB
ブログ内検索
カテゴリー
カウンター
バーコード
アクセス解析
忍者ブログ × [PR]
Produced by Samurai Factory Inc.