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http://4cdtiger.blog.shinobi.jp/
ミニシアター系からメジャー系まで、思いつくまま気の向くまま。
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視聴日 2010年3月13日


本日…
2本目の映画は(一本目は『花のあと』でした…)、肩の凝らない活劇を…と言う事で、この作品を見てきました。

思惑通り…
肩は凝りませんでしたが、腰が痛いですね。
年齢的に、映画観賞2本連続はキツくなってきたのかもしれません(笑)


この作品は…
言うまでも無く、コナン・ドイルという作家が生み出した、英国…いや、世界屈指の知名度を誇る名探偵を題材にしています(タイトルを見ればわかりますね…)。

その…
“今更感”すら漂う、メジャーな素材であるホームズをガイ・リッチー監督が、どのように料理するのか?
この点が、本作の見所のひとつですね。


今回…
彼が取った方法は、
“原作の設定を出来るだけ守りながら、通俗的に使われているホームズのイメージを崩す”
という、少々マニアックなやり方です。

私は…
正直言って、ホームズのシリーズにあまり思い入れが無いのですが(少年期は、乱歩に夢中でしたからねぇ…)、
そんな私でも、作中に散りばめられた原作のエピソードを幾つか拾うのに、さしたる苦労を要しませんでした。

ですから…
シャーロキアンと称されるような熱心なファン達においては、何をか言わんや…という所ですね。
きっと、随所に仕掛けられた様々なネタを読み解き、ニヤリとしているのではないでしょうか?

そういう意味では…
この作品は、“原作に忠実である”と言えます。


しかし…
私が本当に面白いと感じたのは、
“通俗的に使われているホームズのイメージを崩す”
という部分の方でした。

ホームズ程の…
メジャーなシリーズにもなると、原作に記述が無いにも関わらず、大衆の固定イメージになってしまった設定が幾つもあります。

私は…
全く知りませんでしたが、今やホームズのトレードマークとも言える
“鹿打ち帽にインバネスコート”
という出で立ちからして、原作には記述の無いスタイルなんだそうですね。

そのような…
原作で描かれていない…言わば行間の部分を創作し、ガイ・リッチー版『シャーロック・ホームズ』を作るという試みを、彼は本作で行っているのです。

例えば…
他ならぬシャーロック・ホームズの造形についてですが、
ロバート・ダウニー・Jrをホームズとしてキャスティングした大胆さは、私にとって驚嘆に値しました。

個人的な…
見解に過ぎないかもしれませんが、彼は従来のホームズ像からは随分とかけ離れているような気がします。
同じく…
ワトソンにジュード・ロウと言う発想にも、同じ事が言えると思いますね。

でも…
不思議なもので、作品を見ていると全然悪くないんです。
ちゃんと、しっかりホームズ&ワトソンなんですよね。

まあ…
濃いファンの皆様方ならいざ知らず、私程度の通俗的なホームズ知識の観客を丸め込むだけの説得力は、この作品には充分あったって事です。


あと…
この作品で面白いと思ったのは、アクションにも力を入れている所ですね。

無論…
ホームズは原作でも“バリツ”なる格闘技の使い手…と設定されていますから、戦闘シーンで彼が活躍する事に、何等不思議はありません。

しかし…
本作ほど、ホームズがホームズらしい格闘シーンを行っている作品は、これまで無かったように思います。

彼は…
視覚からもたらされる対戦相手の情報を分析し…
即座に対応策を組み立て…
脳内でそれをシュミレートしてから行動に移して闘います。

実際に…
そんな事が出来るかは別として、この戦闘法も原作のホームズの推理法を踏まえた上での手法だと思われますので、多少まどろっこしくはありますが、そのまどろっこしさを含めて、私は非常に良かったと思いますね(一寸、ジョセフ・ジョースターを思い出しました…)。


その他の…
キャストについても、特に不満はありませんでしたし(まあ、作品にあまり思い入れが無いからかもしれませんが…)、
映画版オリジナルの敵役、ブラックウッド卿を演じたマーク・ストロングが非常に格好良くて素敵でした。


基本的に…
娯楽性の高い、面白い作品だと思います。
気楽に見に行って、楽しんで帰るには最適の一本じゃないでしょうか?

個人的にはオススメです!



評価(☆5MAX)
ストーリー  ☆☆☆
原作盛り込み度☆☆☆☆☆
本邦の“怪人二十面相”も、これぐらいのクオリティで作ってくれよ…この間の『K―20』なんか本当に酷かったもんなあ…無味乾燥なオリジナルワールドを作るんじゃ無くて、本作みたいに実在の都市を作品に合わせて上手くカスタマイズせえよ、全くもう…まあ、これ以上は長くなるからもう言わないけど…ブツブツ…度☆☆☆☆☆
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視聴日 2010年3月13日


北川景子さんの…
憎悪に満ちた眼差しで睨まれる事を夢想して、この作品を見てきました(笑)

つまり…
今日の私は、我が身を本作の敵役“市川亀治郎”に重ねての観賞だったわけです。
あの気の強そうな北川さんの瞳で睨み付けられるのは、さぞやグッとくるだろうなぁ…って事でね。

しかし…
北川景子さんという人は、和装で髪を結ってしまうと、現代劇で見るようなキツイ美人の雰囲気が消えてしまうんですな!
何だか…
泣き目になっちゃって、異論はあるかもしれませんが、菊川怜さんのような印象を受けましたよ。

今回…
私は、
『勝ち気な北川景子をたっぷりと楽しむ!』
という素敵な劣情のみを目的に劇場へ足を運びましたから、これは非常に残念な事でした(致命的と言っても良いですね…)。


この作品は…
『蝉しぐれ』や『隠し剣鬼の爪』等と同じく、藤沢周平氏の小説を映画化したものです。

最近…
流行っているのか、“藤沢周平原作映画”と言うのが、とみに多いですな。
まあ、確かに日本人が好む筋立てのお話をよく書いている印象がありますしね。

作品の舞台は…
氏が創作した東北の小藩である海坂藩(氏の故郷である鶴岡がモデルと言われています…)。
この地は、藤沢ファンにとって、お馴染みの場所のようですね。

実際…
数十ページの短編に過ぎない原作を2時間程の映画に仕立て直して、なおかつ飽きさせずに最後まで見せる力は、
勿論、監督を務めた中西健二氏の技量に負う所も多いのでしょうが、
結局、今までに様々な物語が紡がれてきた“海坂藩”という場所が持つ奥行きにこそあるような気がしました。


物語は…
女だてらに剣術自慢の変わり種である“以登(北川景子さんです…)”という女性を主人公に展開します。

簡単に言ってしまうと…
この映画の内容は、その以登さんの復讐劇です…或いは、敵討ちの物語と言っても良いでしょう。


ただ…
少し異色なのは、以登が討とうとしているのが、“父や兄などの身内”の仇では無くて、
“過去にたった一度だけ、剣を交えた男”の仇だった…と言う所でしょうか?

以登を…
女と侮らず、真剣に試合ってくれた“江口孫四郎”という好漢に、彼女は仄かな恋心抱くのですが、
その恋は、封建社会の常として、実る事はありませんでした。

しかし…
孫四郎が藩の重鎮である藤井勘解由(市川亀治郎が好演…)の奸計に嵌まって腹を切らされた時に…
以登は、その過去にあった、たった一度の邂逅の為だけに命をかける訳です。

その姿と…
心根は堪らなく美しく、凛としていますねぇ。
ゲスな私には、一寸眩しすぎるぐらいです(笑)

それ故…
私は、我が身を藤井勘解由に重ね、
『ふははは、腕が立つと言っても、所詮女の細腕よぉ…。』
とか
『ふふふっ、御主…孫四郎に抱かれたか?』
とか言う、下卑た言葉を以登に投げ掛ける己を夢想していた訳ですね(ついでに言っておくと、作中の藤井は、こんな台詞は吐きません…)。

つくづく…
業というものは、恐ろしいものです(笑)


このように…
本作は、私の北川景子さんに対する“妄想”が暴走してしまった為、客観的な評価は、一寸できかねますが、
普通に観賞するならば、筋立てのしっかりした良い作品なんだと思いますね。

問題があったのは…
私の精神状態でした(笑)


評価(☆5MAX)
ストーリー ☆☆☆☆
妄想暴走度 ☆☆☆☆☆
“武家の娘”スタイルの北川景子さんは、一寸期待はずれでがっかりさせられたのですが、彼女の“剣道少女”姿が見れた事は、最高の収穫でした!いやぁ…私は、和装の女剣士にとことん弱いからなあ…度☆☆☆☆☆
視聴日 2010年2月13日


タイトルだけを聞くと…
ラブストーリーのように感じるかもしれませんが、この作品はその手のお話ではありません。

哀しい…
とても、哀しい映画でした…。

そういう意味では…
恋愛モノと同じく、私の守備範囲外の作品と言えるのですが、
新聞の映画評を見て、一寸心惹かれるモノがあり、思いきって見てきた訳です。


フランスの…
小説家フィリップ・クローデル氏の監督作品。
氏の代表作『灰色の魂』は、30ヶ国で翻訳されている…と言いますから、それなりにネームバリューのある作家さんなのでしょうね(無論、私は知りませんでしたが…)。

一寸、面白いのは…
この作品が、彼の小説を映画化したものではなくて、この映画の為に、監督がオリジナル脚本を書いた作品である…という事です。

パンフに…
載っているインタビューを読んでみると、
『私にとって映画として表現するべき作品と、小説として表現するべき作品は、明確に異なる…。』
と明言されており、その辺のコダワリが表現者らしくて好感が持てました。

悲しいかな…
凡愚に過ぎない私には、その境界の見極めはつきませんが、その境を意識して作品にあたる監督の姿勢は、至極まっとうに感じましたね。


この作品は…
心に傷をおった、ある姉妹の再生の物語です。

姉のジュリエットは…
ある罪により刑務所に服役し、15年の刑期を経て出所したばかりという状況…。
当初、
彼女の罪状や誰に仇をなしたのか等は、語られませんが、刑期の長さから考えるとある程度の想像はつきますね。

一方…
妹のレアは、
姉に対して非常に複雑な思いを抱いています。
両親から罪を犯した姉の存在を忘れるよう強要されたり(彼女にとって大好きだった姉を忘れるのも…両親に逆らい姉を記憶に留めるのも…精神的な苦痛を伴いました…)、
ジュリエットと同じ血を持つ自分が、いつか姉と同じような罪を犯すのではないか…という強迫観念にとらわれたり、
と、精神的に不安定な状態にあります。

レアは…
その複雑な事情を背負いながらも、出所したジュリエットを自分の家庭に迎え入れ、共に生活する事を選択しました。

物語は…
その家庭で起こる、
冷たかったり…
優しかったり…
不器用だったり…
ヒステリックだったり…
する、彼等の“日々の生活”を中心に描かれます。

その日常を過ごすうちに…
ジュリエットが犯した罪や、
彼女が罪を犯さねばならなかった理由などが、
ゆっくりと解き明かされてゆく訳ですね。

この…
決して急がないテンポで、淡々とした日常を丁寧に描く…
と言うやり方が、大変良かったと思います。

人の…
心の傷を癒すのは、
古新聞のように重ねられてゆく退屈極まりない日々と、
その日々を共に過す者達である…
と言う事なのでしょうね。


彼女達と…
積み重ねられる日常を過す人々として、

レアの夫で、
当初、犯罪歴を持つジュリエットに気を許せないリュック…

屈託の無い明るい性格で、ジュリエットになつく、レアとリュックの養女プチ・リス…

リュックの父で、
口はきけないが、優しく家族達を見守るポールおじいさん…

レアの同僚で、
心を傷を持つジュリエットに惹かれるミシェル…

ジュリエットの担当官で、何故かオリノコ川に執着する不思議なフォレ警部…

等、バラエティーに富んだメンバーが揃っており、彼女達の心を様々な方向に揺らします。

彼等の…
演技もなかなか良かったですね。


地味で…
暗い作品ではありますが、私はすごく好きでした。
一般向けでは無いので、別にオススメはしませんけどね。


評価(☆5MAX)
ストーリー☆☆☆☆
しっとり度☆☆☆☆☆
主人公の妹のレアが滝川クリステルにクリソツで、いつ、憂いを湛えた瞳でニュースを読み出すか、気が気じゃ無かった…度☆☆☆☆☆
視聴日 2010年1月31日


本日…
一本目の映画は、大自然の極み、『オーシャンズ』でしたが、
2本目は“つくりもん”の極み、『アバター』です。

いやあ…
偶然とは言え、素晴らしい対比ですねぇ(笑)


御近所の…
シネコンにIMAX上映館がありましたから、一寸奮発してソコで観賞をしてきました。

チケットを買う時…
『2200円は痛いかな?』
なんて思ったのですが、見終わってみると
『安かったかもー!』
と、ガラリと考えが変わってしまったのは、現金なものです。

通常版や…
3D版がどんな出来映えなのかは見ていないので解りませんが、無理をしてでもIMAXで見る価値はあると思いましたね。

ただ…
あのメガネに慣れない人は、観賞中に気分が悪くなってしまうみたいで、私の周囲で2人の女性が途中退場(結局、また戻っては来ましたが…)していました。

私も…
序盤は、少々目眩がしましたが慣れてしまうと、どうって事は無かったですね。

あと…
飛び出すのは、画面だけではなく字幕もなので、正直言って非常に読みにくいです。
俳優さんの声に、特別の思い入れが無いのならば、日本語吹き替え版を見た方が無難でしょう。


さて…
いつまでもIMAXの感想ばかり述べていても仕方がありませんから、本編の方に移りたいと思います。

この作品は…
『ターミネーター』や『エイリアン』、『タイタニック』等で有名なジェームス・キャメロン監督の作品です…って、こんな事を改めて紹介せなあかんような監督では無いですな。
“世界的に、有名な大物監督が撮った超話題娯楽大作”…この作品の説明は、これだけで充分でしょう(みんな知ってますしね…)。

本来…
私はこういう、大衆の“最大公約数”を狙った映画は、あまり好きでは無いのですが、この作品は大変良かったですね。


物語の…
構造は大変シンプルで、
“先住民VS侵略者”
の戦いを描いています。

まあ…
西部劇の変形だと思えば間違い無いでしょう(テクノロジーは全然違いますが…)。

侵略側が…
地球人で、被侵略側が異形の宇宙人である…という点を除けば、いささか使い古された感がある設定を軸として物語は展開します。

しかし…
それでも、この作品は大変面白かった!
私以外で見に行った人の誰からも、悪口は聞きませんでしたし、
当の私も終始一貫、映像に引き込まれたままエンドロールを迎えてしまいました。

要するに、
映像の圧倒的な迫力と…
背景世界の丁寧なカキコミによって…
我々の心はガッチリと鷲掴みにされてしまった訳です。


わけても…
惑星パンドラの描写は秀逸で、
大自然の迫力(不思議な鉱物“アンオブタニウム”の力で、空に浮かぶ山“ハレルヤ・マウンテン”は圧巻!)や、
6本脚の馬“ダイアホース”をはじめとする様々なクリーチャー群、
そして、どこかネイティブ・アメリカンを思わせる青い人達“ナヴィ”の文化(食文化のカキコミが弱いのが少し残念でした…)、
等が丹念に描かれています。

それらの…
圧倒的な情報量が、目と耳から叩きつけられるように受容されるのですから、我々としてもある種の感銘を受けざるを得ません。

おそらく…
この大量のカキコミを見せる為に、物語はあえてシンプルにする必要があったのでしょう。

ストーリーの面で…
色々と欲張らなかった事が、この作品のバランスを“いい塩梅”に保っているのだと私には感じられましたね。


惑星パンドラと…
ナヴィ達の文化を丹念に描写する事のメリットがもうひとつあると思います。

この作品は…
先にも述べた通り、異形の宇宙人と地球人が戦うお話ですから、あまりダイレクトな表現ではないものの、ナヴィ達が地球人達を殺すシーンが、結構出てくる訳ですね。

そんな…
殺戮者たる彼等の文化を“地球人”ジェイク・サリーの視点で丹念に描写する事により、
ナヴィは、“エイリアン”や“プレデター”などの機械のように人間を殺戮するモンスターではなく、独自の文化を持つ異星人として我々に認識される事になるのです。

ましてや…
我々観客は、サリーの“徐々にナヴィに感情移入してゆく視点”で映像を見ていますので、当然の事ながらナヴィ達に対して情がわくと言う訳ですね。

そうなってしまったら…
こっちの負けで、気が付けば、地球人が無理矢理に他の文明を侵略しているのだから自業自得や…という方向に誘導されています。

この映画を見た人が…
言う、定番の感想である
『(ナヴィが)最初はグロかったけど、最後には全然気にならなくなった…。』
という言葉がその辺りを象徴していると思います。

これは…
素直に上手い手だと思いましたね。


しかし…
そんな小理屈を省いても、良くできた映像を楽しめる良作だと思います。
そんな意味では、大スクリーンで見るべき映画なんだと思いますね。

ファンタジーや…
SFを理解出来ない人以外には、オススメいたします。

恐らく…
私の今年の映画ランキングトップ5には入るんじゃないでしょうかね?


評価(☆5MAX)
ストーリー☆☆☆
背景世界 ☆☆☆☆☆
上でも少し述べたけど、この映画の舞台である“惑星パンドラ”に生きるクリーチャー達は、馬や飛竜をはじめとしてナカナカに魅力的だ…しかし、どういうわけか多肢型の生き物が多い…哺乳動物系とおぼしき猿めいたな生き物も多肢型だった…その癖、パンドラの人類とも言うべきナヴィは、2本腕に2本足…何だか一寸不思議…度☆☆☆☆☆
視聴日 2010年1月31日


『侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー銀幕BANG』が、お昼の部“満席”の為…
代打『オーシャンズ』!!

何だか…
優先順位が変な気もいたしますが、本日はこういう経緯を経てネイチャーな一本を見て参りました。


フランスの…
国民的俳優として有名な、ジャック・ペラン監督作品。

この人は…
ネイチャードキュメンタリーを撮るのが大好きな監督らしくて、
『WATARIDORI』(01年作品)という映画では、飛行する鳥に並走して撮影を行い、躍動感ある飛翔シーンをモノにした人であります。

当然ながら…
本作でも、生き物の躍動感溢れる映像の獲得に強い拘りを見せ、
世界に一台しか無いスティディカムカメラ“ティティス”や…
魚雷型カメラ“ジョナス”…
静音性小型ヘリコプターなど…
数々の新兵器を投入し、撮影を行っています。

加えて…
彼は、その映像のクオリティにも大変拘るタイプのようで、
ザトウクジラが群れで狩りをする所を撮るのに18時間粘ったり…
荒々しい“完璧な嵐”を撮影するのに3年間粘ったり…
と、自然を撮るにあたって最も必要と思われる“待ちの姿勢”を充分に実践できる監督さんなんですね。

まあ…
その辺りの事情や能書きを知らなくても(現に私は、パンフを読むまで、何も知りませんでした…)、素晴らしい映像であるのは、見れば判りますけどね。


この作品の物語は…
1人の少年の
『海って何?』
という、非常に素朴でミもフタもない問いかけから始まります。

その後…
幾つかの章立てが為された、海洋生物の素晴らしい映像が続きますが、
これは本作のストーリー性を確立する為のモノと言うよりも、単なるインデックスに過ぎない…と感じました。

つまり…
作品冒頭で問われた、少年の素朴な疑問も…
物語性を付加する為のナレーションも…
海に棲息する様々な生き物達の映像を効果的に繋ぎ合わせるギミックに過ぎないと言う事です。

一応…
映画を標榜するのですから、そういった工夫は必要なのでしょうが、なんとなくその辺りの印象は薄く感じてしまいましたね。

言いかえれば…
それだけ、生き物達の映像インパクトが強く、秀逸だった…と言う事でしょう。

大空でミサイルの様に変形して、海中を泳ぐイワシの群れに突っ込むケープシロカツオドリの群れだの…
魁偉な容貌で海底をゆっくりと進むゾウギンザメの仲間だの…
群れをなすイッカク達の姿だの…
悠々と海中を行く潜水艦のような巨大海洋生物達(クジラやウバザメ、ジンベイザメなど…)の姿だの…
心惹かれるシーンのオンパレードでした。

要するに…
この作品の本質は、NHKのネイチャードキュメンタリー番組を大画面で見ているだけ…なのですが、実はそれだけの事が、大変な贅沢である事に、改めて気付かされましたね。


ただ…
途中に、一寸押し付けがましく自然愛護をうたうシーンがありまして、私はそこがあまり好きじゃなかったです。

自分達の…
作った映像に、そんなに自信が無いのか?とも思いました。

あんなシーンが無くても、この映画見たら海の大切さは、伝わるっちゅーねん!

あそこは…
少し浮いていたように思いますね。


しかし…
それを除けば良作だったと思います。
この手の作品が好きな人には、オススメですね。



評価(☆5MAX)
ストーリー ☆☆☆
ネイチャー度☆☆☆☆☆
ナビゲーターとして“宮沢りえ”さんがナレーターをつとめており、それはそれで素敵だったのですが、個人的にはこういう映像にはおっさんの声が合うような気がしますな…これは、やっぱり『野生の王国』とか『生き物地球紀行』とかの影響かなぁ…度☆☆☆☆☆
プロフィール
HN:
デスタイガー
性別:
男性
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