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ミニシアター系からメジャー系まで、思いつくまま気の向くまま。
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視聴日 2010年1月23日


いくら古い映画だから…といっても、
2本で500円ってのは激安ですよ!
そんな訳で、今日は近隣市にある市民会館で上映していた、この2作品を見てきました。

どちらも…
大昔の映画で(『浮き雲』なんかは白黒です…)、
女性映画の名手(チラシにそう書いてありました…)と名高い“成瀬巳喜男”監督の作品です。

内容は…
所謂メロドラマなんですが、両作品ともしっとりとした質の高い映画でしたね。


さて…
まずは一本目の『浮雲』ですが、
1955年の作品で、先にも述べた通り白黒映画です。

原作が林芙美子…
脚本に水木洋子…
チーフ助監督を岡本喜八…
が、各々つとめており、今見ると大変豪華なスタッフ陣である事に驚かされますね。

物語は…
切ろうとしてもどうしても切れない、ズルズルと続いてしまう男女の仲…を描いています。

戦中の…
仏印(ベトナム)で出会った農林相がらみの2人の男女が、
アバンチュールな不倫恋愛を経て戦後の日本に帰国して、
くっついたり離れたりを繰り返す…というメロドラマの“王道”とも言える内容でした。

途中…
ヒロインの幸田ゆき子が、
米兵の情婦になったり…
インチキ宗教の教祖サマになったり…
して、混乱の戦後期を必死に生きてゆくのですが、
彼女の生活が軌道に乗ると、どういう訳か疫病神のように元恋人の富岡兼吉があらわれて、ズルズルと2人はヨリを戻してしまいます。

何度…
裏切られても、富岡とヨリを戻してしまうゆき子の態度が原因とは言え、賽の河原の石積みのような彼女の人生は“メロドラマの御約束”と切って捨てるには、少々痛ましく…憐れを感じましたね。

ヒロインの、
ゆき子を演じる高峰秀子の美しさと…
富岡を演じる森雅之の悪意は無いが、女にだらしない駄目男ぶりと…
2人の愚かさが、非常に悲しくて良かったと思います。

欠点は、
音声が悪くて台詞が聞き取りにくい事と…
画面が少し単調な事…
ですかね?

個人的には…
ボチボチ面白い作品でした。


続いての…
『乱れ雲』は1967年の作品で、司葉子と加山雄三が主演…。
他にも森光子や草笛光子など、結構色々な人が出てきます。

しかも…
当たり前の話ですが、みんな無茶苦茶若い!

森さんなんか…
今と違って一寸アクが強い役柄だし、この時代の彼女の役者としての立ち位置というモノが、見て取れますね。

物語は…
交通事故で、通商産業省の役人を轢き殺してしまった商事会社の社員と…
彼のせいで、順風満帆な人生を全て失った未亡人の間に繰り広げられる…
振り子のように揺れ動く人間模様を描いた作品です。

監督省庁の…
役人を事故とは言え殺してしまった為、商社マンが左遷された赴任先と…
亡夫の実家から籍を抜かれ、遺族年金も打ち切られた未亡人が、矢つき刀折れた末に戻った実家が…
同じ青森県(十和田湖近辺です)だった…と言うのは、素敵な御都合主義ですが(笑)
この辺は御約束ですから、まあそんなものなのでしょう。

そんな事より…
青年商社マンの三島史郎を異常に若い時代の“加山雄三”氏が演じているのが、大変な見処です。

この人の…
演技は、オン・オフがはっきりとしていて、真ん中が無いのが非常に素晴らしい!
ある意味、繊細な心理描写が重要と思われるこの役には、最も向かないタイプの御仁では無いかと思いました。

まあ…
屈託の無い、明るい場面での演技は100点満点でしたけどね。

未亡人の…
江田由美子役を演じた“司葉子”さんは、“喪服萌”の私としては、大人の色気にゾクゾクさせられて、何というか…素敵でした(笑)

そんな所を含めて…
私としては、大変面白く見れた一本でしたね。


今回見た…
2作品は、明らかに私の守備範囲外の映画でしたが、タマにはこんなのも良いものです…
古い作品を大スクリーンで見るのも、また愉し…という所でしょうか…。


評価(☆5MAX)
ストーリー☆☆☆
レトロさ ☆☆☆☆☆
今までそんなに思わなかったけど、改めて見ると古い女優さん達もすげえ素敵!両作品のヒロインは、私の心を一気に鷲掴みにしてくれました…特に、最近の女優さんにはない色気…っうか?大人っぽさ…っうか?そんなのを感じちまった…度☆☆☆☆☆
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視聴日 2010年1月16日


新年一本目(7月にして、ようやく2010年1月視聴の映画に追いつきましたよ!)は、
『アバター』
を見ようかな…と思っていたのですが…
何だかしっくりこなかったので、この作品を見る事にしました(笑)

で、観賞後の感想ですが…
『えっらい地味な映画やなぁ。』
というのが正直な所でしたね。

基本的に
画面は暗いし…
主人公を筆頭に、主要登場人物の台詞は極端に少ないし…

まあ…
異能の天才と評判の板尾創路監督作品ですから、直球の映画ではあるまい…と、覚悟はしていたのですが…
少なくとも本作は、作品自体が、こちらのテンションを引き上げてくれるタイプの映画では無いようです。

そんな訳で…
多少、寝不足気味で観賞に臨んだ私は、
“少しだけ意識を飛ばす”
という不手際をやらかしてしまいました(笑)

もし…
この映画をきっちりと見たい人は、ベストコンディションでの観賞をオススメいたします。


物語は…
板尾創路演じる“鈴木雅之”という囚人が、
驚異的な身体能力と…
奇想天外なアイディアをもって…
脱獄を繰り返す…というのが基本的な筋立てとなっています。

ところが…
鈴木は、幾度も華麗に脱獄を成功させるのですが、脱走後、毎回アッサリと捕まってしまうんですね。

おかげで…
はじめは無銭飲食という微罪で捕まったはずの鈴木は、どんどん警備の厳しい監獄へと移送されてしまい、
その度に彼は、
脱獄→捕縛→投獄
という奇妙なルーティンを繰り返してゆきます。

このような…
不可解な行動を続ける鈴木という男の真意が、一体どこにあるのか…
コレこそが、本作品最大のミステリーであり、一番のキモの部分になる訳ですね。

常に…
無口、無表情を貫く鈴木(基本的に彼には台詞がありません…)が、その事を我々に語る事はありませんが…
鈴木の行動を不審に思い、長年に渡り、彼を“定点観測”し続ける看守長の金村(國村準が渋く好演…)という人物が登場して、
しっかりと観客を真相までリードしてくれているのは、なかなかに親切な作りだと感心しました。


一応…
作品の舞台は“昭和初期の日本”という事になってはいますが、
全編を通じて独特の雰囲気で描かれており、
個性的なフィクションとしての“昭和初期”がしっかりと構築されているのが、なかなか面白かったです。

安易に…
オリジナルのワールドに逃げなかったその姿勢には強い好感すら持ちましたね。


個人的に感じた難点は…
板尾創路氏の作品だけに、
『何処かで何かをかまされるんじゃないか…?』
…という不安感が常にあったという点があげられます。

その為…
ずーっと身構えながら映画を見る羽目になりました(笑)

まあ…
無駄な緊張でしたがね。


私的には…
結構、好きな作品ですが、
良くも悪くも華がありません(笑)

『板尾さんが大好きな人は是非どうぞ!』
という映画かな?



評価(☆5MAX)
ストーリー☆☆☆
地味度  ☆☆☆☆☆
とんでもない所で、意外な役者さんや芸人さんが登場するから結構、目が離せない…あの人をこう使うのか?とか…この人をここで?という風に一寸、驚かされるキャスティングでした…もう、こうなってくると、段々それがはまり役なのか?ミスキャストなのか?わからなくなってきた…でも、“ぼんちおさむ”の配役は、なかなか怖くてハマってたよな…度☆☆☆☆☆
視聴日 2009年12月12日


例によって…
鈴井貴之監督作品というだけで、この映画を見てきましたが…

基本的に…
私向きでは無い作品でしたね。


登場人物が…
皆、心に屈折を抱えてはいるものの、概ね“まっとう”に生きようと頑張っているので、
何だか、頑張っていない自分を“薄汚く”感じてしまった…というのが、その理由の主な所です(笑)

物語が…
青春の挫折と再生…みたいなテーマであった事も、それに拍車をかける結果になりましたね。

一寸…
私には合わない主題でした。


まあ…
中村獅童が、いつものエキセントリックさを封印して、抑え気味の演技に徹していた事と…
前田亜季が、結構可愛かった事(こんな風に思ったのは初めてです…)が…
収穫と言えば収穫でしたね。


後は…
御約束の大泉洋を筆頭にする“オフィス・キュー”タレント陣の登場(鈴井監督は、この会社の社長さんなんですね…)には、
御約束通り笑わせていただきました。

しかし…
大泉君、言うに事欠いて
『社長につけといて。』
は、無いんでないかい?

他にも…
わかる人にはわかる楽屋ネタがチラチラ散りばめられていましたが、わからなくて流しても問題無い程度の小ネタばかりなので、内輪ウケによる疎外感は少ないと思います。


決して…
明るい物語ではありませんでしたが、好きな人は好きな作品だと思います。

ラストシーンで…
前田亜季の後ろをついてくるモノ…についての処理は、非常に鈴井監督らしくて、私は好きです。



評価(☆5MAX)
ストーリー☆☆☆
地味さ  ☆☆☆☆☆
“オフィス・キュー”随一の演技派、音尾君の扱いが、外のタレントと別格なのが面白い…しかし、『深夜食堂』の“カツ丼”の回といい、本作といい、最近の音尾君は、めっきりボクサーづいてるよなぁ…度☆☆☆☆☆
視聴日 2009年11月21日


結局…
やっぱり見てきちゃいましたよ(笑)
一寸、今後悔しています…。

別に…
内容が面白く無かった訳じゃありませんが、
『ゼロの焦点』
と比べるとねえ…。

性質が違いすぎる作品ですから、重厚な名作の余韻が薄まっちゃった感があります。
順番を逆に見れば良かったのかもしれませんね。


この作品は…
『サマータイムマシン・ブルース』
と同じく、
“ヨーロッパ企画”という京都を中心に活動する劇団のコメディタッチの舞台劇を…
『踊る大捜査線』の本広克行監督が…
映画化したものです(途中まで全く気付かなかった…)。

舞台時のタイトルは、
『冬のユリゲラー』
で、
『サマータイムマシン・ブルース』
といい、この作品といい“ヨーロッパ企画”の人々はこんな駄洒落が好きみたいですね。
この辺のセンスは、私も大好きです(笑)

前作に引き続いて…
舞台っぽい“小ネタ”や“掛け合い”などが、多々盛り込まれており大変面白かったのですが…

『サマータイムマシン・ブルース』
に比べると、
妙にくどかったり、
冗長だったりして、
テンポが悪かったように感じました。

要するに…
キレが悪かったですね。


物語は…
クリスマスの夜に…
みみっちいけど(一部スゲエのもアリ…)本物の超能力者達が集まって、超能力パーティー(何だよそれは…)を開催している所に…
本物の超能力者を探す、サイキックおたくのダメ女AD(長澤まさみです…)が乱入してしまったから、さあ大変(笑)

平穏な…
日常生活を送る為、自分達の能力を隠す(この点に関して、彼等はストイックなまでに頑なです…)サイキック戦士?達は、次々と襲来する正体判明のピンチを各々超能力を駆使してくぐりぬけて行きます。

この展開は…
前作に近い(使い方次第の本物のタイムマシンを壮絶に下らない事に使う≒使い方次第の本物の超能力を壮絶に下らない事に使う…)ノリでしたね。


俳優陣は…
基本的に小劇団の役者さんを数多く使っている為、少々地味です(まあ、それも監督の意図する所でしょうが…)。

それに引きずられて…
と言う訳では無いでしょうが、主演の長澤まさみちゃんの
演技や…
キャラクターや…
キラキラとした輝きが…
万事控えめだったように感じました。

別に…
彼女が可愛く無くなった訳じゃないのですが、若かりし頃の(今も充分若いですけど…)あの煌めくような輝きが消えいるのは見ていてよくわかり、少し寂しく思いましたね。

全く…
時の流れとはむごいものです。


この作品は…
ソコソコ面白いけど、端々に微妙な点がありました。

ちんまりと…
纏まった舞台劇のノリが苦手な人には向かない作品だと思いますね。



評価(☆5MAX)
ストーリー  ☆☆☆
力の無駄遣い度☆☆☆☆☆
この作品では、超能力仲間で“透視”が一番軽んじられていたけど、透視が一番使い勝手が良さそうだよなぁ…いや、決してエロい意味じゃ無くてさ…度☆☆☆☆☆
視聴日 2009年11月21日


まさに本格派…
第一印象はコレでした。

私は…
原作小説を読んだ事も、
他の映像化作品を見た事もありませんから、
それらとの比較は出来ないのですが…
本作は、なかなか重厚な出来になっていたと思います。

実は…
この後、
『曲がれ!スプーン』
を見るつもりでいたのですが、本作の余韻に浸りたいという気持ちから、一寸今迷ってる所ですね(笑)


物語は…
太平洋戦争後、高度経済成長期の日本を舞台に展開します。

結婚直後…
突如失踪した夫を探す新妻が…
夫の残した痕跡を追いかけるうちに…
図らずも夫と2人の女性の過去の秘密を暴いてしまう…という皮肉な筋立てになっています。

彼等の秘密は…
戦後の混乱期に受けた悲しい古傷なのですが、急速な復興により癒えたかに見えるその傷が、実は今だに瘡蓋の下で膿み続けており、彼等の内部を蝕んでいました。

その瘡蓋を…
引き剥がして、事件の真相たる化膿創を覗く探偵役を戦後の混乱期を知らない若妻が担当している点が、一寸残酷ですが面白い所です。


この…
複雑な物語を映像化する為に集められた役者さん達もそうそうたるメンバーで、
失踪中の夫を西島秀俊が…
その夫を探す新妻役を広末涼子が…
悲しい過去を持つ2人の女性を中谷美紀と木村多江が…
それぞれ演じています。

特に…
女優陣の演技は大変素晴らしく、ラスト近くの中谷&木村の二人芝居には、不覚にも落涙しそうになりました。

やはり…
個人的には、あそこをクライマックスとしたい所ですね。


それに比べると…
ポスターでは、この2人と同格の扱いを受けている広末は、2人に比べて明らかに一段落ちますし、明らかに当たり負けをしています。

これは…
少し相手が悪かったようにも思いますが、
最大の敗因は、広末の甘ったるい声質が、この作品の雰囲気に合わない…という事にあったのではないでしょうか?

この辺りは…
少し残念な所ですね。


しかし…
それを差し引いたとしても、久々にケレン味の無い、本格派の直球勝負の映画だった事には変わりは無く、個人的には大変面白かったと思います。



評価(☆5MAX)
ストーリー☆☆☆☆
本格派度 ☆☆☆☆☆
最初は中谷美紀の凛とした姿に惚れるかと思っておりましたが、実際には木村多江の健気さにいかれてしまいました…木村さんの顔は全く私の好みじゃないのに、あれだけ健気だとねえ…惚れてしまうよねぇ…度☆☆☆☆☆
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